生徒会長と秘密の関係
透明
斗亜「パンフレットで写真を見た時にそう思った。
ミナ…はいつか消えてしまいそう。
透明になってどこかに行ってしまいそう。」
斗亜は振り返ったミナを真っ直ぐ見ていて、でも瞳は揺れている。
ミナ「確かに消えそうだったかも。
でも斗亜が色をつけてくれた。
あのサイダーみたいにいろんな色をくれたでしょ。
もう、私も透明じゃない」
斗亜「…ん、よかった」
唇を噛んで、そういった斗亜。
涙を我慢しているようにもみえる。
そのまま、ミナを追い越して歩いてゆく。
斗亜の背中越しに夕陽が見えた。
ミナ(私がいなくなったことを想像して。
私がいなくならないってことをそのことを「よかった」って。)
ミナ「斗亜!」
ミナはその喜びをぶつけるように、いつの日かと同じように斗亜の名を大声で読んだ。
斗亜「なんだよ」
照れたようなめんどくさそうな声。
でも、笑顔で振り返った斗亜。
ミナ「写真撮ってない!昨日約束したでしょ?」
斗亜「そうだったな」
夕日をバックに撮影した。
歯を見せ不器用に笑う斗亜と、空に手を伸ばしてピースをするミナの写真。
ミナ(斗亜はこの時、何を考えていた?
私はすっごく嬉しかったんだよ。)