クールな冬野くんと聖なる夜にナイショのおしごと
ソリに乗ったわたしは、冬野くんの後ろにちょこんと座った。


今夜は冷え込んで、雪が降るかもしれないと天気予報で言っていた。

こんな薄着だったら、本来てあれば凍えてしまうだろう。


だけど、『ほかほかスーツ』のコスチュームのおかげでまったく寒くない。


「そうだ、白井さん。試してみたら?」

「試す…?」


わたしが首をかしげていると、冬野くんがわたしの手袋を指差した。


サンタさんの七つ道具の1つである『こんにちは手袋』だ。

たしか、鍵の開けたり閉じたりできるんだっけ?


わたしは窓を閉めると、窓ガラス越しに鍵の部分に手を添えた。


…カチャッ


冬野くんの説明のとおり、直接触れることなく外から鍵を閉めることができた!


これが、サンタさんの七つ道具の力。

すごいっ…。
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