クールな冬野くんと聖なる夜にナイショのおしごと
「どうだった?初めての仕事は?」

「起こしてしまわないかドキドキしたけど、朝にプレゼントを見つけたあの2人の喜ぶ顔を想像したら、なんだかこっちまでうれしくなっちゃった」

「うん、俺も同じ。1軒1軒まわるのは大変だけど、これでみんなが幸せになると思ったら、早く届けてあげたいなって思うんだ」


冬野くんが照れた顔をしながら、くしゃっと笑う。

いつもは爽やかな微笑みだけど、クールな冬野くんもこんな無邪気な顔をするんだ。


初めて見る表情に、わたしはドキッとした。

みんなは知らない、わたしだけが知っている冬野くん。


「それにしても、『お邪魔します』なんて言って入るからびっくりしたよ」


夜空を駆けるクリスとイブの手綱を引きながら、冬野くんが振り返る。


「あれは…その…、ついっ…。…ごめんね」
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