王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
ひぃえぇぇぇ~
抱きしめながら、乱暴なこと言わないで。
「ほら、教室に入るぞ」
私を抱きしめていた腕を、ほどいてくれた。
それについては安心したけれど。
いつのまにか私の手のひらは、界魔君の温もりに包まれていて。
一本一本の指が絡み合っていて。
これって……恋人繋ぎ?
恐ろしいことに気づいたときには、もう手遅れ。
界魔君が、勢いよくドアを開けてしまった。
もちろん今は授業中。
目を見開くぐらいの驚き顔で私たちを見る、クラスメイト達。
シーンと静まり返る教室で、先生は黒板を棒でさしたまま固まっている。
界魔君は遠慮なし。
ズカズカと教室を闊歩。
教室の真ん中まで歩くと、先生にハテナを飛ばした。