王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中


私の隣の席の本間くんは、快く席を譲ってくれている。



「界魔君……席を勝手に変えるのは……ちょっと……」と怯えているのは、先生。


「えっ? ダメなわけ?」


「ダメというか……」


「俺様、教科書とかいっさいないじゃん?」


「界魔君の教科書が揃うまでは、高校のを貸してあげることになっていて……」


「24時間、陽彩を好きにしていいって言われた。だから俺様は、この高校に転校してきたんだ!」



後ろにのけぞるほどビックリしたのは、この私です。



だだ、誰がそんな恐ろしいことを、魔王に言ったの?


この国のお偉いさん達を、恨みそうになってしまう。



「陽彩は俺様の婚約者なんだし。俺様の隣で、俺様だけのサポートをするのは当然だろ?」



そんなワガママ、許されないんだからね!


人間界の高校には、規律というものがあって……

授業の妨害行為はご法度で……

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