王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
チャイムと同時に、お弁当を抱えた女子達がクラスから飛びだす。
大人気モデルの麗先輩の近くを、陣取るために。
それが多くの女子の、昼休みの過ごし方なのに。
麗先輩、早退でもしちゃったのかな?
のんきにそんなことを考えている場合じゃなかった。
教室にいる女子達の視線が、界魔に集中している。
隣で机に突っ伏す界魔君は、気づいていないけれど。
女子達が一斉に、界魔の方に向かってきてしまった。
隣の席には、私が座っていて……
にっ……逃げなきゃ!
私は教室の後ろの壁にへばりつく。
間一髪。
女子に囲まれなくて良かったぁ。
他のクラスの女子も混ざって、界魔君の周りは女子だらけに。
界魔君が変なことを言わないよね?
心配だなぁ。
近くで見張ってなきゃ。