王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
  

「ねぇ、沙月ちゃん」


「……なに?」


「なんで親友に戻りたいって伝えてくれたの? 私と話しているところを見られたら、女子達に酷いことを言われちゃうかもしれないよ」


「界魔君が……言ってたから……」


「ん?」


「陽彩ちゃんをいじめてる奴も見て見ぬふりしてる奴も、この中にいるよな?って。それを聞いてから、陽彩ちゃんを無視している自分が生きてちゃダメなほど最低な人間に思えて……苦しくて……陽彩ちゃんに謝らなきゃって思って……本当にごめんね……」


「謝らなくていいよ。沙月ちゃんは何も悪くないから」



私と一緒にいたせいで巻き込まれちゃった、被害者だから。沙月ちゃんは。



「ありがとう、陽彩ちゃん」


涙をぬぐいながらも「えへへ」と笑う沙月ちゃんに、私も頬を緩ませる。

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