王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
「陽彩ちゃんが私の誕生日にくれたバックチャーム、まだ持ってる?」
1年前。
沙月ちゃんが男子トイレに投げた、あのバックチャームだよね?
苦い過去が蘇るも、私は笑顔でザラつくハートをごまかした。
あの日からずっと、家の神棚に置いてあるよ。
毎日、手を合わせて祈っていたんだ。
いつかまた沙月ちゃんと、笑っておしゃべりができますようにって。
「もちろんあるよ」
「今更だけど、もらってもいいかな?」
「えっ?」
「大好きな親友の陽彩ちゃんとお揃いの物、私のスクールバックにつけたいんだ」
沙月ちゃんの口からこぼれた『親友』という言葉。
嬉しくて感激で、また涙があふれだしてきちゃった。