王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
魔王の優しさ
☆陽彩side☆
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あの……
魔王という生き物。
こんなヒヤヒヤ行動しか、取れないのでしょうか?
教室の一番後ろ。
私の机くっつくように置かれた、界魔君の机。
界魔君は両足を机の上に乗せ、板チョコをバキバキ食べている。
ちゃんと注意しなくちゃ。
目立たないように小さな声で。
「授業中は飲食禁止だよ」
私は界魔君から、チョコを奪いとる。
「ちゃんとした態度で、先生の話を聞いて!」
机に乗っている界魔君の足を、下におろす。
これには魔王様が不服そう。
「ちゃんとした態度ってなんだよ」と、私をギロリ。
でもここで、ひるんじゃダメだ。
「はい。教科書もって、背筋伸ばして」
界魔君の手に教科書をも持たせ、背中をポンポンしてみた。