王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
オー! 素晴らしい。
魔王もやればできるのね。
凛とした界魔君くんに感激の拍手を送ろうと、両手を用意したのに。
背筋ピンの優等生スタイルは数秒だけ。
「だりぃ~」
溜息を吐き、面倒くさそうに机に突っ伏してしまった。
はぁぁぁ……負けた。
破天荒で自分勝手な魔王のお世話。
私に務まる気がしないんだけど……
机の上に頬をくっつけている界魔君が、私の方に手を伸ばしてきた。
掴んだのは私の腕。
「ひゃっ!」
強引にひっ張られ、気づいたら私の片頬は界魔君の机にくっついてしまった。
すぐ目の前には、界魔君のニヤケ顔。
異世界レベルでかっこいい……
この顔面は、本当に反則だと思う。