王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
まるで人食い花。
ワイルドな色気を放って、見とれている人間の心をぐわって食べちゃう的な。
おっ……恐ろしすぎ。
至近距離で界魔君を見つめるのは危険。
早く体を起こさなきゃ。
そう思ったのに……
「オマエってさ、けっこうおせっかいなんだな」
お互い机に突っ伏したまま。
吐息がかかるほどの近さから界魔君に見つめられていて、視線をほどくことができない。
八重歯キラリ。
ヤンチャ笑顔を私に飛ばしてくるし。
不覚にも心臓がキュン。
声がたどたどしくなっちゃう。
「おおっ、おばあちゃん子だったから」
「そういうとこ、嫌いじゃないぜ」
ニカっと笑った界魔君。
私の心臓は、なぜか早まりだし
ひょえ!
机に乗っている私の手のひらに、界魔が手のひらを重ねてきたから
ひぃえぇぇぇぇぇ!
大パニック。
私の脳が沸騰寸前。
なんかもうよくわからなくなって、私は勢いのまま立ち上がっちゃった。
自分の机を、界魔君の机から引き離す。