王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中


「なに、俺様から離れてるんだよ」



こんなところを見られたら、魔界のお姫様に呪い殺されちゃうよ。



「わわわ…私の教科書、使ってていいから!」



立ったまま大きめの声を発してしまった私だったけれど、すぐに後悔。


教壇に立つ先生が「こほん」と咳払い。

クラスメイトが後ろを振り返り、私をジーっ。



ひぃえぇぇぇ~~


「……すす…すいません」



授業中なのに。

いきなり立って、大声を上げて、申し訳ありませんでした。



恥ずかしくなった私。

慌てて自分の席に座る。



界魔君が私の視界に入って欲しくない。

もっともっと、私の顔が赤く染まっちゃいそうだから。


私は界魔君を避けるように、窓の方を向いて授業を聞いていた。


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