王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
「私…みんなをまとめる役は……ちょっと苦手で……」
「クラスの人に指示出すのも責任取るのも全部、私達に任せてくれればいいから」
「……でも」
「陽彩ちゃんしか頼める人がいないの。お願い!」
女子3人が、必死に頼み込んでいる。
困っているクラスメイトを助けたいけれど。
人には向き不向きというものがありまして……
私は「いいよ」なんて頷けない。
返答に迷い、3人から視線をそらしてしまう。
その時、沙月ちゃんが陽気な声を張り上げた。
「陽彩ちゃん、一緒に文化祭の実行委員をやろうよ」
「……でも」
「お互いクラスが違うから、文化祭の準備を一緒にできないなって悲しかったんだ」
「……」
「親友もほかのクラスで実行委員をやってると思うと、私も心強いんだ。ねっ、一緒に頑張ろうよ」