王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
ごまかし笑いを浮かべ、私は上靴をはく。
これ以上突っ込まれても、答えられそうにないし。
ここは一旦、界魔君から退避。
脳の命令通り、教室まで駆けていこう。
そう思ったけど……
私の目の前には、怒り顔の界魔君がいて。
鋭い目つきで、『バン!』と靴箱に右手をついて。
ななな……なんか……
壁ドン状態なんですけど……
私の後ろには靴箱。
前には魔王様。
逃げられないんですけど……
私はオロオロと、視線を下げることが精いっぱい。