王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
お洒落なルームシューズを、靴箱にしまった界魔君。
靴を履き始めたから、私は動揺が口から洩れちゃった。
「もう帰るの?」
まだ朝なのに。
学校に来たばっかじゃないの?
「のほほんと生きてる人間界の奴らと違って、魔王様の一日は忙しいんだ」
そうだよね。
魔王と言ったら、魔界を牛耳る者。
私には耐えきれないくらいの、壮絶な苦労があるんだろうなぁ。
界魔君のために、何もできないのが悔しいな。
私はお世話係なのに。
「体……壊さないでね……」
「えっ?」
「無理しないでね」
「フッ。俺を人間界の弱っちい奴らと、一緒にすんな」
「そそ…、そうだよね?」
歴代最強の魔王様だもんね。