王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
「そうそう、言うの忘れてた。メルヘン喫茶にお客さんが来るように、外に巨大アーチを作ればいいねって陽彩ちゃんが提案してくれたんだよ~」
……提案したのは、冴木さんたちでは?
「派手色の風船を数えきれないほどつけてさ。写真の映えスポットになりそうなやつ」
「いいねぇ~」
「でしょでしょ!」
「でもさ、外に置きっぱのアーチに風船くっつけて、本当に大丈夫か?」
「風が強い日だったら、風船割れそう。飛んでっちゃいそう。文化祭当日に見るも無残なアーチになってたら、私泣くよ~」
「そこは大丈夫。陽彩ちゃんが言い出したんだもん。文化祭当日も100%完璧なアーチを、考えてくれてるんだよね?」
カースト上位女子3人組に、私は顔を覗き込まれてしまった。
怖すぎる笑顔の花が3つ。
私の首筋に冷や汗が垂れる。
できませんなんて、言える雰囲気じゃないし……
「なんとか……します……」
私はオドオド声を、なんとか吐き出した。