王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
…………って。
えぇぇぇぇ??
向かいの校舎から、手話で誘われちゃった??
行く?
もちろん行かないよ。
だって、麗先輩と関わるのは危険すぎだし。
突然抱きしめて、甘い声を吹きかけてきたりする人だもん。
私はみんなにバレないように、手でバツを作る。
麗先輩の笑顔は崩れない。
めげずに、ハンドシグナルを続けている。
『来てくれないと バラしちゃうよ 魔王のこと』
えぇぇぇぇ?!!
おっとり上品笑顔で、脅されちゃった?!!
はぁぁぁ、しょうがない。
わかりました、行きますよ。
拒絶をやめた私。
向かいの校舎に見えるよう、小さく手で丸を作る。