王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
私の体に、麗先輩の腕が絡みついてきた。
体が宙にフワっ。
ななな……なぜに?
今私は、麗先輩にお姫様抱っこをされてるんですけど。
「おおお……おろしてください」
「陽彩ちゃんとくつろぎたいんだ。二人でゆっくりできるお部屋まで、連れて行ってあげる」
「自分で歩きますから」
「それは危ないでしょ? 床にはガラスが落ちてる。陽彩ちゃんに痛い思をして欲しくないと思う俺の優しさ、素直に受け取って欲しいなぁ」
「危険なのは麗先輩も一緒で……」
「陽彩ちゃんは何も考えず、お姫様気分を味わっていて。そうしないと、塞いじゃうからね」
「塞ぐ?」
「陽彩ちゃんのかわいい唇」
ひぃえぇぇぇぇ。
お姫様抱っこされているこの状況。
先輩の麗しいお顔が、近すぎだし。
私の体は、麗先輩にピタっとくっついているし。
これ以上の負荷をかけられたら……
キュン死しちゃうかも……