王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
私は抵抗しないことにした。
麗先輩は私をお姫様抱っこしたまま、ガレキの中をザクザクと歩いていく。
部屋の奥にあるドアを開け中に入ると、麗先輩は私を下ろしてくれた。
中はたった2畳ほど。
部屋の半分に、二人掛けのソファがあるのみのシンプルで狭い部屋。
「隠し部屋に憧れていて、作ってもらったんだ」と、麗先輩は照れた様に頭をかいている。
「ソファにどうぞ」
促されるまま、私はソファの奥側に座る。
両手を膝に置き、背筋をピンと伸ばしちゃうのは、緊張しすぎのサイン。
肩がぶつかりそうなほどの真横に麗先輩が座り、私はできるだけソファの隅に身を逃がした。
「やっと陽彩ちゃんの心を独占できた」
麗先輩の優しい笑顔。
世界中の女子のハートを奪えちゃうほど、魅力的で吸い込まれそう。