王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
「ねぇ、陽彩ちゃん」
「……はい」
「俺はね、ここ数日おかしくなりそうだったんだよ。陽彩ちゃんが一生手に入らないんじゃないかって不安が募って、どうしていいかわからなくなってしまって……」
「あの……」
「ん?」
「なんで私に、良くしてくれるんですか?」
私なんて嫌われ者のぼっちなんです。
麗先輩と並んで歩いても見劣りしない美少女は、他にたくさんいるのに。
「罪滅ぼしからの、沼落ちみたいな」
「えっ?」
「覚えてない? 俺のこと。陽彩ちゃんが小1の時に、一度だけ会ったことがあるんだけど」
「そうなんですか?」
10年前ってことですよね?
王子様フェイスの美少年。
一度見たら、顔を忘れないと思うけど。
「山奥の川の中。陽彩ちゃんはおばあちゃんと戦いの特訓をしてた」
川の中……
1つ年上の男の子……
あっ!!