王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
わかりません。
今は何も考えられません。
ドキドキで倒れそうな私は、目をつぶって顔をブンブン振りまくる。
私の前にしゃがみ込んだ麗先輩。
「自分の可愛さを、ちゃ~んと自覚してね。君の唇を奪おうとする男は、この世に俺一人だけで十分だから」
私の唇に、綺麗な人差し指を押し当ててきた。
ひぃあぁ~~。
心の中で叫びながら、私はお尻を引きずったまま後ろに逃げる。
平常心を保つのは無理です。
麗しイケメンの極甘フレーズは、私のハートを狂わすスイッチか何かですか?
私は麗先輩に恋愛感情はない。
全くない。
だって私は、好きの感情が芽生えたことなんて一度もないし。
それなら、これはどういう状況?
私の心臓、バクバクしすぎ。
肌から飛び出しちゃいそう……