王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
壁に手をつき、私はなんとか立ち上がった。
もたれるように、背中を壁に預ける。
「なな…なんで先輩は、私なんかの名前を知っているんですか?」
学年は一つ下だし。
私は同級生に無視されている、ぼっち地縛霊なんですよ。
「溺愛しつくしたいほど大好きな子の名前。知っていて当然でしょ?」
麗先輩の煌めき笑顔の花が、私の目の前で咲いている。
こんな見目麗しい、大人気モデルが私を好きなんて……
いやいや、それはない。
絶対にない!
まだ私は眠りの中。
甘い夢を見ているんだ!