王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
麗先輩が壁に手をついた。
彼の手の真横には、オロオロする私の顔がある。
これって……壁ドン状態?!
逃げ場なし!
「あの……発信って……?」
「俺が命を懸けて守りたい人。それは『守世陽彩ちゃん』ただ一人です!って。全国民に向けてね」
あ~、もう無理だ。
キャパオーバー。
心臓止まりそう。
今すぐ倒れちゃいそう。
意識を飛ばしてバタリって。
こういう時は、現実逃避に限ります!
壁ドン状態は解けぬまま、私は恐る恐る麗先輩を見上げる。