王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
「どうぞ」と微笑みながら、麗先輩がベッドに向けて手を差し出した。
やっとドキドキから解放される。
心臓に手を当て、「ふ~」っと安堵のため息をこぼしたのに
やっとハートが休まると思ったのに……
「待って!」
階段を上る手前、麗先輩に手首をつかまれて。
ギュー!
私を後ろから抱きしめながら、麗先輩が私の肩に顔を乗せてきたから
また私のハートが、ドギマギ暴れ始めてしまった。
「俺と添い寝をしたいんだよね? もちろん大歓迎だよ」
魅惑の優しい声、甘すぎですってば。
「そそそ……添い寝?」
「寝ているときも、こうやって後ろから優しく抱きしめてあげるね」
「けけけ…結構です! 一人で寝ますから!」