王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
魔王VS王子様
☆陽彩side☆
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次の朝になりました。
高校の靴箱の扉を開ける私。
一週間ぶりの悲しみに襲われ、落胆色に瞳が濁る。
「上靴がない……またゴミ箱の中かなぁ……」
高2ともなると慣れてはきた。
いたずらをされることなんて、もう1年以上も前からだし。
原因は、私がよく授業をさぼるから。
魔王と戦っているんけど、もちろん生徒たちはそんなことは知らない。
私だけが先生に特別扱いされている。
ひいきだ。ずるい。
そう思われてしまっている。
人間界の平和を脅かす魔王の存在なんて、口にはできないし。
いじめられても、傷ついていないふりをしつづければいいだけなんだけど……
私のメンタルが弱すぎるのが問題で。
たかが上靴を隠されたくらいで、家に帰りたいほどブルーな気分になってしまうんだ。