王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
そういえば昨日、ベッドのそばに私の上靴が置いてあったような。
誰かに上靴を、隠されたわけじゃなかったんだ。
ベッドで寝かせる時に、麗先輩が脱がしてくれたんだ。
メルヘンチックな安らぎ部屋を飛び出した時、私は靴下で。
下校時刻まで保健室で爆睡。
だから上靴のことなんて、すっかり忘れていたみたい。
あとで取りに行かなきゃな……
あの部屋に……
でも……
『ねぇ、陽彩ちゃん。部屋に男女二人だけ。そんな時にキュートな照れ顔なんかしたら、男はどんな行動に出るかわかってる?』
極上に甘い声で囁かれたり……
『俺と添い寝したいんだねもちろん大歓迎だよ。寝ているときもこうやって、後ろから優しく抱きしめてあげる』
後ろから優しく抱きしめられたり…
「ひぃあぁぁぁ……」
麗先輩が浮かべる魅惑の微笑みを思い出すだけで、顔の熱がぶり返しちゃう。