王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中
「なに、これ?」
そ…その紙は……広げないで……
魔王は紙に視線を突き刺し、固まっている。
そしてクラスメイトに見えるように、紙を突き出した。
紙には『ぼっち!』『キモイ!』『死ね!』の文字が。
「これって……イジメ?」
信じられないと言わんばかりに、麗先輩が目を見開いている。
教室には、気まずそうに肩をすくめる女子がちらほら。
魔王は机の前にしゃがみ込むと
「陽彩がお前らのために必死に戦い続けてきたこと……何も知らないくせに……」
声にならないような怒り声をこぼした。
魔王は怒り顔のまま立ち上がり、私の机を起こしている。
怒りを手に込め、両手で机を思い切り叩いた。
バン!と大きな音が響く教室。
魔王の放つ怒りオーラが怖くて、教室にいる誰も言葉を発することができない。
棒付きの丸いキャンディを、魔王はクラスメイトに突き付ける。