王子と魔王の溺愛対決 キュン死注意報・発令中



「縄をほどいて!」


「却下」


「ほどいてってば!」



暴れる私を見て、「クククっつ」と面白がっている魔王。

頬に当たる私の髪を指でつまみ、悪っぽくニヤついている。



「オマエが俺に襲い掛からないって約束するなら、自由にしてやってもいいけど」


「私に触らないで!」


思いっきり顔を振り、魔王の指から自分の髪を逃がす。



魔王はフェンスの手すりに手をつくと

そのままヒョイ

ジャンプで、フェンス上に腰を下ろした。



縛られている私の真横。

魔王の長い足が揺れている。

< 86 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop