千燈花〜ETERNAL LOVE〜
チュンチュン、チュンチュン
鳥のさえずりと柔らかな朝の光が差し込んでいる。雨はようやく止み久しぶりに太陽が顔をのぞかせた。外に出てみると、明るい太陽の光を浴びた庭の緑がキラキラと輝いている。
爽やかな秋風に導かれるように、敷地の中をぶらぶらと歩きはじめた。裏山の前を流れる小川は数日降った雨のせいで水かさが増し、ゴーゴーと勢いよく流れてる。水しぶきも朝陽に照らされキラキラと虹色に輝きとても美しかった。
キレイね、飛鳥の都はどこを歩いても水の流れる音が聞こえて、心が安らぐ…
「燈花様、ここにおいででしたか~」
振りかえると小彩がはぁはぁと息を切らし胸を押さえている。
「おはよう。久しぶりのお天気だから嬉しくて少し散策していたのよ。雨上がりの景色はまた格別に美しいわね」
「はぁ、全く呑気でございますね。お部屋にいらっしゃらなかったので驚いてあちこち探したのですよ」
少しふてくされた様子で小彩が言った。
「ごめんね。勝手に部屋を出て悪かったわ」
「ハァ…燈花様ったら、所で足の具合はどうですか?」
「小彩が用意してくれた薬草の塗薬が効いたのね、傷も塞がったし、足首の腫れもだいぶ引いて普通に歩けるわ」
「良かった〜安心しました。実はあの塗薬ですが大王様のお屋敷より送られてきたものなんです。どうやら唐から取り寄せた貴重な塗り薬だそうです」
小彩が肩をすくめ嬉しそうに言った。
「えっ、茅渟王様が⁉︎しかもそんな貴重な薬を頂いてしまって申し訳ないわ」
「恐らく山代王様からお話をお聞きになったのかと…」
はぁ…何から何までお世話になってばかりだ。私はため息をついた。
「燈花様、お腹が空いておいででしょう?今、食事を用意しますのでお部屋でお待ち下さい」
「小彩、本当にいつもありがとう。こうして無事生きていられるのも貴女のおかげだわ、心から感謝しているのよ」
「やっだぁ、、、。燈花様、朝から何を仰るのです。燈花様にお仕えするのは私の仕事です。中宮様の大切な方であられば私にとっても家族同然でございます。本当の妹だと思って下さい」
「ありがとう」
思わず胸が熱くなり涙がこみ上げた。小彩がいつになく真顔で言ったので感傷的になってしまった。
「今、食事の用意をしますね」
小彩は照れくさそうに笑うと厨房へと走っていってしまった。
本当にありがたかった。小彩にも、茅渟王様にも山代王様にも、この恩は忘れてはいけないと思った。
食事を終えると小彩が言った。
「今日はお天気も良いので、久しぶりに中宮様にご挨拶に伺おうと思うのですが、燈花様はいかがされますか?足の具合が悪ければ、また別の日にいたしましょう」
「もちろん行くわ!そうだ、この間、北山で採った薬草がまだ残っているでしょう?蒸した栗に混ぜて饅頭を作るのはどうかしら?」
「妙案ですね!では早速、倉から栗を持ってきます」
鳥のさえずりと柔らかな朝の光が差し込んでいる。雨はようやく止み久しぶりに太陽が顔をのぞかせた。外に出てみると、明るい太陽の光を浴びた庭の緑がキラキラと輝いている。
爽やかな秋風に導かれるように、敷地の中をぶらぶらと歩きはじめた。裏山の前を流れる小川は数日降った雨のせいで水かさが増し、ゴーゴーと勢いよく流れてる。水しぶきも朝陽に照らされキラキラと虹色に輝きとても美しかった。
キレイね、飛鳥の都はどこを歩いても水の流れる音が聞こえて、心が安らぐ…
「燈花様、ここにおいででしたか~」
振りかえると小彩がはぁはぁと息を切らし胸を押さえている。
「おはよう。久しぶりのお天気だから嬉しくて少し散策していたのよ。雨上がりの景色はまた格別に美しいわね」
「はぁ、全く呑気でございますね。お部屋にいらっしゃらなかったので驚いてあちこち探したのですよ」
少しふてくされた様子で小彩が言った。
「ごめんね。勝手に部屋を出て悪かったわ」
「ハァ…燈花様ったら、所で足の具合はどうですか?」
「小彩が用意してくれた薬草の塗薬が効いたのね、傷も塞がったし、足首の腫れもだいぶ引いて普通に歩けるわ」
「良かった〜安心しました。実はあの塗薬ですが大王様のお屋敷より送られてきたものなんです。どうやら唐から取り寄せた貴重な塗り薬だそうです」
小彩が肩をすくめ嬉しそうに言った。
「えっ、茅渟王様が⁉︎しかもそんな貴重な薬を頂いてしまって申し訳ないわ」
「恐らく山代王様からお話をお聞きになったのかと…」
はぁ…何から何までお世話になってばかりだ。私はため息をついた。
「燈花様、お腹が空いておいででしょう?今、食事を用意しますのでお部屋でお待ち下さい」
「小彩、本当にいつもありがとう。こうして無事生きていられるのも貴女のおかげだわ、心から感謝しているのよ」
「やっだぁ、、、。燈花様、朝から何を仰るのです。燈花様にお仕えするのは私の仕事です。中宮様の大切な方であられば私にとっても家族同然でございます。本当の妹だと思って下さい」
「ありがとう」
思わず胸が熱くなり涙がこみ上げた。小彩がいつになく真顔で言ったので感傷的になってしまった。
「今、食事の用意をしますね」
小彩は照れくさそうに笑うと厨房へと走っていってしまった。
本当にありがたかった。小彩にも、茅渟王様にも山代王様にも、この恩は忘れてはいけないと思った。
食事を終えると小彩が言った。
「今日はお天気も良いので、久しぶりに中宮様にご挨拶に伺おうと思うのですが、燈花様はいかがされますか?足の具合が悪ければ、また別の日にいたしましょう」
「もちろん行くわ!そうだ、この間、北山で採った薬草がまだ残っているでしょう?蒸した栗に混ぜて饅頭を作るのはどうかしら?」
「妙案ですね!では早速、倉から栗を持ってきます」