千燈花〜ETERNAL LOVE〜
月の光に照らされた林臣の顔は青白く光り高い鼻は更に高く端正な顔立ちがあらわになった。手指も細く長く美しい。
こんなにじっくりと林臣様の顔を見るのは初めてだ…最後にあったのは十三年前…あの時は若くてつんけんしていて鼻持ちならなかった…でも今は立派な大人の男ね…でも蘇我入鹿なのは間違いないはず…この人、この先どうなるのかしら…どんなに同情しても歴史を変える事は出来ない…宿命だと思うから。
そんな事を考えながら林臣の真剣な眼差しを眺めていた。彼もその視線に気が付いたのか、少し顔を上げ見返してきた。目が合ったのですぐに顔をそらした。
「あっ、林臣様、先日のことですがもう一度お詫びいたします」
良いチャンスに恵まれたと思いもう一度念のためにあの夜の事を謝った。
「……」
林臣は黙ったまま何も答えない。
「何も聞いてこないのですね…」
「関係ないからな…着いたぞ」
小船が池の中央のある中洲に止まった。林臣は先に中洲に上がると私の手を引っ張り船から引き上げた。足元が暗い中、池に落ちないように細心の注意をはかり中洲へと上がった。林臣は小船から大きなむくろを取り出すとバサッと地面に広げゴロンと横たわった。
「林臣様?学校
「……」
「林臣様??」
少し大きな声で呼びかけた。
…グウ~…グウ~…
すぐに寝息が聞こえてきた。
・・・嘘でしょう⁈私は自分の耳を疑った。
「林臣様!」
軽く体をゆすったがピクリとも動かない。スヤスヤと気持ち良さげな寝息だけが聞こえる。一人孤島に取り残された感じだ。なんて身勝手な人なのだろう…すぐに怒りの感情が込み上げた。
なんなのよこの男!頭おかしいんじゃないの!どうなってるのよ!
頭の中は怒りとパニックで混乱している。すぐにでも帰りたいが、一人船を漕いで岸辺まで戻る勇気は到底ない。結局彼が起きるまで待つという選択肢しか残っていない…。
愕然としたが仕方がない、こうなったら私も朝になるまでここで寝ようと早々に開き直った。
林臣はスース―と夢の中だ。彼に向かいチッと舌打ちした後、隣にゴロンと寝転がり満点の星空を見上げた。とりあえず夏で良かった…。そんな事を考えているうちにいつのまにか眠ってしまった。
こんなにじっくりと林臣様の顔を見るのは初めてだ…最後にあったのは十三年前…あの時は若くてつんけんしていて鼻持ちならなかった…でも今は立派な大人の男ね…でも蘇我入鹿なのは間違いないはず…この人、この先どうなるのかしら…どんなに同情しても歴史を変える事は出来ない…宿命だと思うから。
そんな事を考えながら林臣の真剣な眼差しを眺めていた。彼もその視線に気が付いたのか、少し顔を上げ見返してきた。目が合ったのですぐに顔をそらした。
「あっ、林臣様、先日のことですがもう一度お詫びいたします」
良いチャンスに恵まれたと思いもう一度念のためにあの夜の事を謝った。
「……」
林臣は黙ったまま何も答えない。
「何も聞いてこないのですね…」
「関係ないからな…着いたぞ」
小船が池の中央のある中洲に止まった。林臣は先に中洲に上がると私の手を引っ張り船から引き上げた。足元が暗い中、池に落ちないように細心の注意をはかり中洲へと上がった。林臣は小船から大きなむくろを取り出すとバサッと地面に広げゴロンと横たわった。
「林臣様?学校
「……」
「林臣様??」
少し大きな声で呼びかけた。
…グウ~…グウ~…
すぐに寝息が聞こえてきた。
・・・嘘でしょう⁈私は自分の耳を疑った。
「林臣様!」
軽く体をゆすったがピクリとも動かない。スヤスヤと気持ち良さげな寝息だけが聞こえる。一人孤島に取り残された感じだ。なんて身勝手な人なのだろう…すぐに怒りの感情が込み上げた。
なんなのよこの男!頭おかしいんじゃないの!どうなってるのよ!
頭の中は怒りとパニックで混乱している。すぐにでも帰りたいが、一人船を漕いで岸辺まで戻る勇気は到底ない。結局彼が起きるまで待つという選択肢しか残っていない…。
愕然としたが仕方がない、こうなったら私も朝になるまでここで寝ようと早々に開き直った。
林臣はスース―と夢の中だ。彼に向かいチッと舌打ちした後、隣にゴロンと寝転がり満点の星空を見上げた。とりあえず夏で良かった…。そんな事を考えているうちにいつのまにか眠ってしまった。