契り恋
限界だよ、後輩くん。
今思えば、今日はなんだか調子が悪い日だったと思う。
体調より心の。
からんころん、とドアのベルが鳴る音がしてホールにいた私は「いらっしゃいませ〜」と声をかける。
「4人なんですけどいけますかぁ〜?」
ゆるふわに巻かれた女子高生が顔の近くまで持ってきた手のひらを親指だけおりこちらにみせる。
「大丈夫ですよ、窓際かソファ席が空いていますがどちらになさいますか?」
窓際のテーブル席と座高は低くなってしまうが中央のソファ席をさす。