契り恋
「その時も、もう出来ないくらいの怪我になるまで誰も言わずに我慢してた」



椅子に座るおばあちゃんは普段より小さく見えた。



「頼ってほしいんだけどねえ…」



朱那の寝顔を見ながらおばあちゃんは悲しそうに笑った。



「……それに、朱那ちゃんの彼氏はあなたじゃなかった、よね」



あぁ、覚えられてたんだ、玲於は。


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