契り恋
朱那ちゃんはさみしそうな怒ったような複雑な表情で俺を見ている。



「……誰が好きなの?」



ドキリとした。



冷や汗が出て、心拍数が上昇したのがわかった。



視界がぐるぐるする。



……焦っていた。



なんで?



いつから知ってた?



何の話?なんて笑ってはぐらかしてしまいたかった。



先刻の柊兄ちゃんの不思議な質問の意図を初めて理解する。



もっと頭が切れていれば回避出来たか?


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