契り恋
朱那ちゃんが……泣いていたから。



ごめん、で済むなら君の涙を止められたのかな。



「ちが、朱那ちゃんごめんっ。どうしたら、いい?どうしてほしい!?」



慌てた俺は彼女に手を伸ばす。



泣かないで。



「触んな」



その手はまた、彼女に触れることは出来なかった。


< 174 / 192 >

この作品をシェア

pagetop