好きなひとの好きなひと
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1年前の中3のとき、それは突然だった。
_____海音がしんだって
私はその言葉をすぐに理解することができなかった。
わかりたくなかった。
そんな悲しすぎる現実を、受け入れたくなかった、受け入れられなかった。
「交通事故だってね」
「まだ14歳だそうよ……かわいそうに」
周りから聞こえてくるたくさんの泣いている人の声、姿、見えているし、聞こえているのに。
お葬式の最後、私は海音のお母さんから話しかけられた。
「せつなちゃん……海音のためにきてくれてありがとね」
泣き疲れ苦しそうな顔をした海音のお母さんに、
私はただただ頭を下げることしかできなかった。
「あのね……海音は事故に遭う直前、せつなちゃんに会いに行くって家を出たの」
「え?」
うそ、なんで
「きっとあの子、せつなちゃんに伝えたいことがあったんじゃないかしら……」
うそ、なんで、どうして
「そんな……じゃあ私のせいで海音は」
「それは違うわ!せつなちゃんはずっと海音と仲良くしてくれていたもの、そんなふうに思わないわ」
私は抑え切れず涙を何粒も落とした。
声も震えてまともに話せなくなった
「わたし、わたしは……」
____海音がだいすきでした。