それは過剰で艶やかで 【完】
「白川さん、今日も休みなんでしょ」
「病んでるんじゃん? 鮫島さんに怒られてたし、けっこう仕事抱えてるし。適当っていうのもあれだけど、もっとうまくやればいいのにね」
「まあ、美鳥さん見てたらそうなるんじゃない? あんなに仕事できる人が近くにいたら手を抜けないし、できませんって言えないでしょ」
「あー、たしかに。ちょっとね。やりづらさはあるよね」
「もう少しぬるくやってる人の方が楽だよね。先に帰りづらいし、有給もとりづらくない?」
「わかる。鮫島さんもぜんぜん休まなくってさあ。ああいう人たちって仕事以外に楽しみとかあるのかな」
ずん、と胸が重くなった。暗く蠢いていた感情は許容量を超えて胸を突き破り、みるみる全身に広がってゆく。
効率をよくしたいと思ってる、なんて口走った愚かな口をぎゅっと噛みしめた。身体の表面の温度だけが上がって、内側がすうっと冷めていくのを感じた。
「病んでるんじゃん? 鮫島さんに怒られてたし、けっこう仕事抱えてるし。適当っていうのもあれだけど、もっとうまくやればいいのにね」
「まあ、美鳥さん見てたらそうなるんじゃない? あんなに仕事できる人が近くにいたら手を抜けないし、できませんって言えないでしょ」
「あー、たしかに。ちょっとね。やりづらさはあるよね」
「もう少しぬるくやってる人の方が楽だよね。先に帰りづらいし、有給もとりづらくない?」
「わかる。鮫島さんもぜんぜん休まなくってさあ。ああいう人たちって仕事以外に楽しみとかあるのかな」
ずん、と胸が重くなった。暗く蠢いていた感情は許容量を超えて胸を突き破り、みるみる全身に広がってゆく。
効率をよくしたいと思ってる、なんて口走った愚かな口をぎゅっと噛みしめた。身体の表面の温度だけが上がって、内側がすうっと冷めていくのを感じた。