Kahlua Milk 〜Hiding Gray 君の瞳に隠されて〜
ん?どうしたんだろう…

頭をかしげて、私が目で問いかけると


ポンポン…


「…っ!////」



さりげなく、でも慣れていない手つきで、彼の手が私の頭に触れた

い、今…な、なでられた…?

本人は照れる様子もなく、私の鼓動が早くなることにも気づいていないだろう
その後すぐ私の顔が赤く染まる間に、さっさと去ってしまった

「もう〜大丈夫かなぁ?あの人!」

あはは、と笑いながら言葉を発するけど、私の心の中はバクバクと、落ち着くことを知らないみたい


なんで…ズルいよ…

あの顔は…なにかやりたいけどできない、やり残した、愛おしい、そんな顔だった
例えば、付き合いたてのカップルが、初めてのデートでキスしたくてもなかなかできない
結局最後までできなくて
去り際にそれを訴えるような

そんな顔

なんでそんな風に見つめるの?どうして頭を撫でたの?考えが読めないから、不意をつかれる


何度もカップルであることを否定し、ただの同級生であることを追求して…
私のこと、少しでも気になってるって思いたくて、そのヒントをずっと探していた
でも君は、そんな素振りなんて何一つ見せてくれなかった
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