【短】Small-Love
奏斗はそんな俺の言葉にも
黙って何かを考えているようだった。



まだ拳が震えている。



「菜都未早くしねぇとバス遅れる。」



女の連れの男が口を挟んだ。



「奏斗君をあたしは信じたいから。」



女は帰る前にそう言った。



奏斗・・・
お前それを解決しなきゃ、
前にも進めねぇんじゃないの?



とうとう奏斗はしゃがみ込んだ。



「なぁ・・・彰・・・・。」



俺は奏斗を真っ直ぐに見る。



「俺、戻れるかなぁ・・・?」



戻るも何もお前次第だろ、奏斗。



「彼女も同じ事思ってたら
 何も変わらないぞ・・・。
 男からいこーぜ!」



俺にはこれ位しかわからない。



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