【短】Small-Love
そして俺らは他愛のない会話をした。



奏斗は他県出身らしい。



でもその桜陵中は
県境付近にあるらしく実家も近い。



そのうち連れてってやるだって。



なんとなく初めて会った気がしない。



いつの間にか意気投合していた。



トンッ



荷物を置く音がした。



そこにはキミ、否
前園 詩音が立っていた。



真っ直ぐな黒髪。
でも茶色がちな目。
吸い寄せられそうだった。



俺と目が合った。



そして笑顔をこぼした。



その時、


きっと俺は


キミに堕ちたんだ―――。



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