振リ返ルコト
第一章
男性をこんなに綺麗と思ったことは、きっとこの時が初めてでした。
弓を引いて、何か張りつめるような空気。
何か、時を待っているかのような空間。
一度たりとも、動かない目線。
すべての物が、彼に注目しているような言い表わせない衝撃。
彼が矢を放った瞬間、桜が舞い、その余韻だけを残すかのように時は過ぎる。
矢は的にすべて当たり、私の心の風も大きく揺れた、高校一年の春ことでした。
弓を引いて、何か張りつめるような空気。
何か、時を待っているかのような空間。
一度たりとも、動かない目線。
すべての物が、彼に注目しているような言い表わせない衝撃。
彼が矢を放った瞬間、桜が舞い、その余韻だけを残すかのように時は過ぎる。
矢は的にすべて当たり、私の心の風も大きく揺れた、高校一年の春ことでした。