すべてを忘れる前に
こんな時間に家に入れるということは一人暮らしだろう

家に入ると涼しい部屋に通された

「お邪魔します」

快は黙って飲み物を出してくれる

「快はいつも何時ごろ寝てるの?」

「バラバラかな。あまり寝れないんだ」

きっと快は、不眠症だろう

寝れないだけど、いつも眠いんだと思う

「私でよかったら、近くいるから眠ったら?」

「いいのか?」

頷く私に快は笑って見せた

その笑顔は電話してた時の声のように寂しそうだった
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