すべてを忘れる前に
ミンミンと泣く蝉の声で目がさせた

時間を確認するとちょうどお昼頃だった

快はまだ眠っている

寝る前にいた部屋に行けば誰かいるかも

今いる部屋から出ると何個か扉があった

たしかここだったはず

扉を開けると、みんながそれぞれ好きなことをしていた

「快は?」

和馬は、眠そうに聞いてきた

「まだ寝てる」

その一言で、そこにいた全員が顔を青白くした

「どうしたの?」

「愛!すぐに戻れ!今すぐ!」

「何でよ」
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