すべてを忘れる前に
本条・・・底辺だけど、組なら私が出ないわけには行かない

「今日の夜11時に、いつものところで」

「了解」

「じゃあ、あと戻ろうか!」

「・・・愛」

梓は何かを考えこんでいるようだった

「どうしたの?」

「なんで俺を頼らなかった」

きっと家出のことを言っているんだろう

梓は、事後報告を嫌うから

「梓には、見回りを頼んでいたし、集中してほしかった。実際に組の足取りも掴めたわけだし。薬さばいてる奴いるのは、私も分かっていたんだ。梓は、足取り掴むの得意だろ。だから、任せたかったんだ。信頼あってのことだよ」
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