すべてを忘れる前に
出る時にも、入ってきた時同様、入口にいる、黒服に声をかける

「誠、ありがとう」

誠は、桃華の兄貴であり、このクラブの責任者

そして、唯一隠し部屋の存在を知る男

誠は、私たちと関わりを持っていると思われないために全く話をしない

目で返事をした誠は、VIPルームに入っていった

私たちが出たあとは必ず隠し部屋の入口を確認し、隙間がないか違和感がないか確認してくれる

「・・・そろそろか」

私は時間を確認した
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