私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
そして迎えた土曜日
俺は香音を迎えに行く準備をしていた
もうすぐ香音に会える…!
やったー!!
プルルルル……
そんな時に電話が鳴った
誰からかな………
ディスプレイに表示された名前は香音だった
……………
嫌な予感がする………
香音………いつもメールだったのに……
今日は電話………声が出せないはずなのに………
「もしもし?
香音?」
「…………ヒック…ヒック………ヒック……」
かすかに聞こえる声………
香音……泣いてる………………
「香音どうした?
大丈夫だから泣かないで?」
「………ヒック…ヒック…ヒック………」
「香音大丈夫だよ
もうすぐ俺も行くから
今日退院できるから」
「……ヒック……ゆう…ヒック…と………」
1週間ぶりに聞いた声
香音……どうしたんだろ……
「うん
どうした?」
「……ヒック……退院……ヒック……できないって……ヒック……」
「えっ……何かあったのか?」
「………熱……ヒック……出て……ヒック…ヒック……下がらないと……ヒック…ダメ……だって………」
「……………………」
「……ゆう……ヒック…と……
帰り……ヒック…ヒック……たい……
ヒック……帰ら……ヒック……せて………」