私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「怪我が治ってからは精神科に移動した
 暴れなくなったから拘束も外されたけど……今度は一切声を出さなくなった
 そこからは多分香音も記憶あるじゃないかな?」

「うん…………」

「ごめんな………可哀想なことして……
 何もできなくてごめん……」

「雄斗のせいじゃない…………
 私が悪いの………全部…私が……
 ごめん……ごめんなさい……」

そして香音は泣き出した

俺も優しく抱きしめた


「香音……大丈夫だから……
 お前は何も悪くないんだよ………」

「ちがっ……!
 私が…全部……」

「お前は悪くない
 香音は頑張った………偉いよ……
 それなのに……どうして自分を責めるんだよ……」

「だって、私が……!
 高校に受からなければ……落ちていれば…………こんなことにはならなかったのに……
 私がお母さんを待っていたから………私さえいなければ………あんなことには………」

「香音………誰もそんなこと思ってない
 高校に受かったのも香音が頑張ったからじゃん………お母さんも喜んでたじゃん………」

「お母さんは……!
 私のせいで死んだの………私が殺したんだよ……」

「それは違う!
 香音、違うから!!」

「私が死ねば良かったんだよ…!
 全部……!
 全部私のせいだよ!!」

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