私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「だから違うって!
香音のせいなわけない!」
「私のせいだよ!
私がいなければ………お母さんは死なずにすんだんだよ…………」
「いい加減にしろ!
誰がそんなこと言った
誰もそんなこと言ってないだろ」
「みんなそう思ってるんだよ!
言ってないだけで………お父さんだって………私よりお母さんの方が生きてて欲しかったはずだもん………」
「そんなわけないだろ!
お父さんもお前が生きててくれて嬉しいはずだよ」
「どうしてそんなこと言えるの!?
人の気持ちなんて分かるわけないでしょ?」
「分からないよ!
分からないけど香音は家族から大切にされてきただろ」
「それはお母さんがいたから!
私は……生きてるべきじゃない……」
「香音…………」
「ごめん……私帰るね…」
「…………分かった
送ってく」
「いい
一人で帰れるから」
「ダメだ
送ってく…………頼むから……送らせて」
「…………ごめん
一人にして」
そう言って香音は帰っていった