私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
花恋に手伝ってもらいながら香音をベッドに寝かせた
「幸輝、香音ちゃんと約束してたの?」
「してない
急に来てた
してたら早く帰ってるよ」
「まぁそうだよね……」
そう話しながらも花恋は体温を測ったり、保冷剤で冷やしたりしていた
さすが医学部…………こういう時、頼りになる
香音を花恋に任せ、俺は下山先生に電話をかけた
プルルルルルル………………
「もしもし?」
「あっ、下山先生
今大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど…………何かあった?」
「実は………今帰ってきたら香音が玄関にいまして………」
「あー……幸輝のところに行ったのか……
すまん………香音、大丈夫か?」
「熱があって…………ずっと外にいて水分もとってなかったようで…………」
「まじか………また上がってきたか……」
「もとからあったんですか…?」
「退院する時にちょっとな………今、何度まで上がってる?」
「あーちょっと待っててください」
電話をおいて花恋のところに行った
「花恋ー、香音の熱何度?」
「幸輝………」
「ん?
どうした?」
「………香音ちゃん…病院に連れていった方が…………熱…高すぎる………」
「………………何度だ…?」
「39℃後半…………」
「………っ!
分かった………もう少しだけ香音のこと任せてもいいか?」
「もちろん」
「ありがと」