私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「うん」
「それでね…お母さん待ってる時に………隣の席の人が来て…………違うトイレに連れ込まれた………」
「…………っ!」
「それで…………それ……でね………」
「香音………もういいよ……もう分かったから………」
「雄斗…………」
「香音………辛かったな……良く頑張ったな………」
俺は香音をギュッと抱きしめた
「雄斗………ごめんね………」
「気にすんな………香音は悪くないんだから……………」
「あり……がと…………」
しばらく沈黙が続いた
けど、それを破ったのは香音だった
「雄斗………話してもいい…?」
「いいよ………香音が話したいなら」
「……………私は……そんなにだったの……
だから………あまりされてない」
「そっか………」
「あの人はね…………お母さんが最初から狙いだったみたいでさ…………私の写真出して……お母さんを脅した………これがネットに公開されてもいいのかって………」
「…………うん……」
「………そのせいで……お母さんは……抵抗出来なかったんだ………
隣でさ……ジャケットで隠しながら…………触られてた……………お母さんは……苦しんでた…………それで………あの時が来た」
「そう……だったんだ…………」