私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「よし!
香音にここの魅力を伝えよう!」
「まだ話してなかったのかよ………」
「まぁいいじゃん
まず香音が喜びそうなところとしてー………校則が緩いところかな!」
「えっ、そうなんですか?」
「それなりにね!
制服はあるけど、衣替えとかないから好きな時期に好きな服装でいいんだよー
香音もそれを隠したかったら長袖着ててもいいし」
私の手首を見ながらそう言われた
まだ手首には傷が残ってる
どうしてそれを………
もしかして……雄斗が…?
「ちょっ、俺は何も言ってないからな!?
香音、俺を疑うなよ………」
「ごめん………でもどうして………」
「雄斗に抱きついてた時
若干服が捲れてた
その時にね」
「…………何か怖い」
「まぁまぁ!
観察しないとやってけないから
特に香音みたいな子はね」
「…………ほっといてください」
「えー無理ー!
俺、香音のこと気になってしょうがないもん」
「…………………………」
「後はねー
その前髪も何も言われないよー
いくら伸ばそうが自由だよ」
「………っ!
それは……嬉しいかも……」
「だろ?
たまーにいるんだよね
目を隠す奴」